麻布 − その歴史
麻布は魅力的かつユニークな歴史を有するエリアです。古くは農村地帯だったこの地には、麻布十番駅近くに佇む善福寺をはじめ、歴史ある神社仏閣が数多く存在します。善福寺は、都内では浅草の浅草寺に次いで古い寺院。824年に弘法大師により開山されたのち、この寺を訪れた親鸞上人との出会いを経た了海上人が、真言宗から浄土真宗へと改宗を果たしました。
現存する樹齢700年の「逆さいちょう」は、親鸞が寺を去る時に、持っていたイチョウの杖を地に突き立てたのが大きく育ったもの、と伝えられています。やがて約300年前の江戸中期、幕府政治の中枢が近隣に置かれ、この地は新たに住宅地として開発されました。
旧華族のかつての邸宅は現在、その多くが世界各国の大使館となり、国際色あふれる街の雰囲気は、在日外国人や国際感覚に富む日本人が好んで暮らす、活気あるコミュニティにも反映されています。閑静な小径を歩けば、各国のグルメに、インターナショナル・スクール、世界的なブランドショップ、さらに老舗の蕎麦屋や、藍染などの伝統工芸店も点在。落ち着きのある本物指向とアクティブな都会性とが、東京の中心という便利な立地に共存していることで、元麻布は都内有数の注目エリアとなっているのです。